IR法案=ギャンブル法が確立された辺りからパチンコの依存問題について騒がれていますが、ギャンブル依存症はなぜ取り上げられるべき問題なのでしょうか?
この問題については様々な意見があります。私はパチンコを愛して止まない人間ではありますが、依存症は解決すべき問題であると考えます。
パチンコとは?
パチンコとは簡単に言うと、くじ引きのようなものです。1,000円で250発の玉を借りて遊びます。
くじを引くためには抽選口に玉を入れる必要があり、ハンドルを回して玉を弾き、その穴を目指します。
250発の内、何個抽選口に入るかは台によって異なり、店側が釘を調整することで変動します。
抽選に当選すれば玉が出てくるのですが、出る玉よりも当りまでに使う玉が多くなるように釘を調整して、店は利益を確保します。
打ったことのない人はじゃあ何で打つの?と、不思議に思うかもしれませんが、理由は簡単です。短期勝負だと勝てる可能性があるからです。
サイコロを使ったイメージ
サイコロをイメージすると分かりやすいかもしれません。
ここにどの目が出る確率も1/6のサイコロがあります。1回、100円で振ることができます。6の目が出れば480円貰えます。それ以外の目は外れです。
どうでしょう?4回サイコロを振るまでに6の目が出れば、得をしますね。ですが、ずっとこのサイコロを振り続けるとほぼ確実に負けます。
これが、パチンコの大元にある考え方です。
どの目が出ても80円返ってくる設定だと誰も打ちませんよね?確実に20円負けます。ですが、期待値は上で挙げたサイコロと同じです。
配当を偏らせることにより、得をする人と損をする人を出し、サイコロを振る動機を持たせます。
さらに、1回振るのに必要な額を10,000円にして、6が出たら48,000円貰えるように設定したらどうでしょう?このサイコロを振る人が増えますね。
かなりの額を手に入れられる可能性がありますからね。これを射幸性と呼びます。
ギャンブルを知らない人は不思議に思うかもしれませんが、1度に獲得できる額を大きくすればするほど、ギャンブルにのめり込む人は増えるのです。
そして、パチンコの当選率は1/6ではありません。今もっとも当り難い台は1/320となっており、1回の当りで獲得できる金額は15,000~20,000円程となっています。
しかも、獲得できる金額が変動します。うまくいけば、かなり稀ですが100,000円以上の金額が1度に出てきます。
こうなると、抽選が複雑になり過ぎて、パチンコを冷静に捉えられる人が減ります。
例えば、大当りの確率以上の抽選を受けても当たらないことを「はまり」と呼ぶのですが、そのような台を好んで打つ人がいます。
30回連続で6の目が出ていないサイコロがあったら、すぐに6の目が出ると思いますか?思いませんよね。常に1/6です。
ですが、パチンコはではそのように考える人もいるのです。
パチプロについて
パチプロなんていないと思っている方も多いでしょうが、実際に存在します。
店は釘で利益を調整すると言いましたが、客側が儲かるようにすることもあります。
パチプロはそのような調整の台をピンポイントで打ち続けるのです。これには、長年の経験と情報収集力が必要で、ふらっと行って見つけられるものではありません。
店は商売でやっていますので、そう簡単には打てる機会がありません。巡り会えたとしても、行く度に見つけるのは至難です。
ただ、どのような台が甘い調整なのかという情報は出回っていますので、判断はパチプロじゃなくとも可能です。
判断できる能力よりも、どこにあるかを知る能力の方がはるかに重要で、結局は甘くない台を打つ人が大半です。
依存について
さて、前置きがかなり長くなってしまいましたが、本題の依存について考えてみようと思います。
今回、依存が問題となったのはカジノに反対する勢力が、パチンコ依存の問題を置き去りにするのは良くないという主旨で持ち出したのでしょう。
個人的にはあまり話題にしてほしくなかったのですが、たしかにパチンコ依存は社会に悪影響を及ぼします。
問題となる依存
依存が社会問題となるのはなぜでしょう?それは、当事者と関係のない第3者に被害が及ぶからです。
討論番組で、ある漫画家が「人生そのものがギャンブルなんだし、のめり込む理由がわからない。別にほっとけば良いんじゃないの?」と言っていましたが、理解に苦しみました。
個人の問題で済むのなら、そもそも討論の議題にならないでしょう。依存は当事者だけの問題で終わらないので問題なのです。
ですので、ある特定の人がパチンコ依存となった場合、その人以外の人にどのような影響があり、それが社会にとってどれほどの不利益となるのか、それに伴って対応策を話し合うべきだと思います。
自分の考える問題は、2つあります。
● 金銭トラブル
● 勤労と納税の義務の放棄
です。
金銭トラブル
真っ先に頭に浮かぶのがこれです。
一概には言えませんが、パチンコ台は1日打つと数万円負けるように調整されています。休みの度に1日中パチンコを打てば、ほとんどの人が耐えられないでしょう。
ですが、限度を超えて金を突っ込んでしまう人がいます。そして、借金をします。合法的に借りられる内は良いでしょう。
ですが、そもそも身の丈を超えた金額を使っているのですから、いずれ借金も限界に達します。
問題はそうなった後です。お金が無いけどパチンコが打ちたい、でも借金はもうできない。
その後の行動が社会に不利益をもたらす可能性があります。
勤労と納税の義務の放棄
パチンコには簡単ではありませんが、生活するに足る金額を手に入れられる可能性があります。
そして、実際に生活している人もいます。パチンコで稼いだお金で生活している人は社会に不利益をもたらします。
なぜなら、国民の義務を果たしてないからです。しかも、稼げる台を見つけられることを利用して、代わりに台を打つ、打ち子を雇っている人もいます。
1日で20,000円勝てる台があれば、打ち子に10,000円払って残りは懐に入れます。
やり過ぎですね。
さらに、この行為はパチンコを稼ぎに使おうという人間を増加させる広告にもなっています。実際には、ほとんどの人間が稼げませんが。
私の考えるパチンコの存在意義とは「日常生活の隙間で非現実的な刺激を得られること」です。
非現実を現実にしてはなりません。国民は働き、納税をして福祉を充実させる義務があります。その義務を果たした上での娯楽なのです。
パチンコで稼いでいる人が無視できない数に達した時、対策を考える必要があります。
稼いでいれば依存ではないのでは?と思うかもしれませんが、労働の選択肢があるにも拘わらず、パチンコで稼ごうとしているのは依存と言えるでしょう。
まとめ
私なりに依存について書かせてもらいましたが、実は今、パチンコは想像を絶する苦境に立たされています。
たしかに、のめり込み過ぎて破綻する人はいるでしょうが、一昔前ほどではありません。
なので、今回パチンコが責められたのは、IR法案絡みの損を喰ったと言ったところでしょう。
1日パチンコを打ってみてください。たぶん、すぐに飽きますよ。
個人的には競馬や競艇の方がよっぽど危険に見えます。
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