悔しいと書いたのは、博打は1人でやるものだと思っているので、打ち子を使って金を集める人達が好きではないからです。
ですが、社長の傍らで仕事と金の流れを理解していくと、打ち子使いは実に経営と似ていると思わずにはいられないのです。
打ち子が成り立つ場合
打ち子が成り立つのは、子が知らないことを打ち子を雇っている親が知っているからでしょう。
パチンコやパチスロは期待値が立ち回りの根幹ですので、親が期待値➕の台を見つけられなければなりません。
さらには、子が期待値➕の台を見つけられない、または納得のいく日当を得られるような期待値の台を見つけられないことが前提です。
構造上、親と子の関係が成り立つには、子が納得のいく日当を得ることができ、尚且つ親の稼ぎが得られないといけません。
例えば、日当で1万円稼ぎたい人がいたとします。収支を記録して一生懸命稼働した結果、1日平均で8千円しか稼ぐことができませんでした。
そこに1日平均1万2千円の台をコンスタントに探し出せる人が現れました。そしてこう言うのです。「種銭は全てこちらが持ちます。それとは別に1万円お渡しします。その代わり、換金が発生した場合はお金を全てこちらに渡してください。」と。
どれだけ頑張っても8千円の日当しか得られなかった人は、喜んでその話に乗るでしょう。これが打ち子が成り立つロジックです。
これが、パチンコやパチスロで負けている人なら、尚更打ち子になりたがるでしょう。好きなパチンコやパチスロを打って、お金まで得られるのですから。
打ち子システムが成り立つ3要件
それでは、先に書いた内容をまとめて、打ち子システムが成り立つ3要件としましょう。
①子は納得のいく期待値➕の台を見つけられない
②親は子が納得する日当を差し引いても、満足いく稼ぎが得られる期待値➕の台をコンスタントに見つけられる
※ここで言う満足する稼ぎとは、子の数✖日当を差し引いた金額
③親は子が稼働する際の種銭を用意することができる
以上の3つの要件を満たさないと、打ち子システムの存在は難しいものとなるでしょう。
期待値が稼げる3つのケース
では、今度はパチンコやパチスロで期待値が稼げるケース別に、打ち子を使うことを考えてみましょう。
ちなみに、パチンコやパチスロで期待値を稼ぐケースは3つしかありません。
①パチンコでボーダーを上回る台を打つ
②パチスロで機械割が100%を越える(高設定)台を打つ
③パチスロでゾーンと天井を狙って設定1でも機械割が100%を越える瞬間だけ打つ
以上です。
①について
①のパチンコでボーダーを上回る台を打つことは、一般の打ち手にからすると容易ではありません。
しかも、それで稼ぎを得るとなると、相当な精度でその台を打つことができないといけませんし、ボーダーよりもかなり回る台を打てなければ満足いく日当を得ることも難しいでしょう。
ホールも台を調整してくるはずですので、臨機応変に対応できる観察眼が必要になります。
あるライターが「なぜ打ち子なんてするんだろう?」と言っていましたが、こういったことが理由に挙げられるでしょう。
逆にそういったことができる人にはチャンスです。一般的にはなかなか見つけることができないボーダーを上回る台を毎日見つけられるのであれば、打ち子にあてがうことができます。
なかなか安定した打ち子システムであると考えます。
②について
②のパチスロで高設定を打つことも、一般の打ち手からするとかなり難しいでしょう。
パチスロはパチンコと違って、判断が正しかったかどうかの確認も大変です。台を開けて設定の確認は当然できませんし、結果だけを見て高設定を確信できるとも限りません。
その代わり、高設定の見返りが大きいのでパチンコほどの精度は必要ありません。低設定を素早く見抜く技術と合わせることができれば、鬼に金棒です。
もし仮に恒常的に高設定を掴むことができるのであれば、こちらも安定した打ち子システムと呼べるでしょう。
③について
③については一般の打ち手でも容易に判断することができます。
なぜなら、ゾーンや天井を狙う際の情報は簡単にサイトで手に入りますし、データランプによって期待値がむき出しになっているからです。
誤解の無いように、ゾーンや天井間際の台が多く落ちていると言っている訳ではなく、見ればわかるということです。
これは、①や②との決定的な違いです。先ほど書いた打ち子システムの3要件の①が脆くも崩れ去ります。
「穴場スポットは知る人しか知らないよ」という発言は控えてください。それ教えたら一巻の終わりですよね?打ち子もそれほどバカじゃないでしょう。親に確認を取って打つ必要なんてありませんからね。
また、もしそれでもゾーンと天井狙いで打ち子を使えたとしても管理が大変です。①や②とは違い、基本動き回りますので、ズルをされても気付き難いですし、指示を出すのも一苦労です。
はっきり言って、この打ち子システムが成り立っているのであれば、不思議でなりません。極貧の人がいて、その人を使うのならなくはないでしょうが、その極貧の人が極貧でなくなれば、またそういった人を探す必要があります。非効率的過ぎます。
経営との類似点
ひと通り打ち子システムについて書いてきましたが、経営との類似点について触れます。
大きく分けて3つあります。
お金の管理
経営では資金調達が大きな課題となりますが、打ち子システムも同じです。
種銭を切らすことなく、打ち子を使い続けることは思った以上に大変でしょう。
使う打ち子の数に比例して種銭も増えます。下振れを食らうと、一瞬で大金が吹き飛ぶはずです。
餌場の確保
経営で最も重要なのは餌場の確保です。打ち子システムで言えば、ボーダーより回る台、高設定が餌です。
会社で言えば、お得意さんですね。理屈はわかっても簡単には手に入らないのが餌場です。
いつもは威張り散らしている社長もお得意さん(餌場)には頭を下げます(笑)お得意さんもこれまでの付き合いがあるので、簡単にはそっぽを向きません。
子が親から、従業員が社長(会社)から簡単には奪えないものです。
人の管理
経営では人の管理も重要となります。会社で働くことに誇りを持ち、モチベーション高く仕事に臨んでもらわないといけません。
そして、最も恐れるのがモラルハザードです。会社の情報を他に流したり、金を横領したりしないような仕組みを整える必要があります。
当然、打ち子を使う際にも必要です。
まとめ
以上のことから、やはり打ち子システムは経営に似ていると思うのです。
大金を掴もうとすれば、より経営的な色が強くなります。「人」、「餌場」、「金」を手中に入れる上等技術を扱えるなんて、なかなかできるものではありません。
だから、だからこそ、悔やまれてなりません。
倫理的には「セーフ」か「アウト」でいうとやはり「アウト」でしょう。法的には一応「セーフ」でしょうが。
その能力を他で活かしてほしいものです。今回の規制で成り立たなくなる可能性も出てきましたからね。
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