元手数100万円を資産数億円にするマンション経営とは!?

最近良く耳にするマンション経営ですが、いったいどのような仕組みになっているのでしょうか?

元手数100万円を資産数億円にできるという衝撃的な謳い文句を目にすることもあります。

マンション経営とは

ではマンションの経営者をするとどういった未来が待っているのか見てみましょう。

①マンションを購入する

マンションの経営者となるのですから、まずはマンションを購入します。購入は斡旋業者が存在しますので、その会社の方が案内してくれます。自宅の購入と同じで頭金を払い、銀行から借入をして購入するようです。

購入するマンションはその人の収入によりけりですが、今回は1,200万円の都内のワンルームマンションとします。利息と合わせて1,680万円の20年返済で、毎月7万円の返済額です。

このマンションは銀行の担保となりますが所有者はあくまで経営者です。建物損壊のリスクがありますので、月々修理の保険として1万円を支払います。

マンションを購入して月々8万円を支払う計算になります。

②マンションを貸し出す

マンション「経営」と言うくらいですから収益を上げないと経営ではないですよね?ですので、マンションを他人に貸し出して賃料を得ます。

毎月8万円支払っていますので、9万円で貸し出しましょう。そうすると1万円が利益となります。年間にすると12万円の利益です。

※固定資産税やその他の経費も出るでしょうが、ここでは省略します。それらを考慮してでも利益が出る賃料設定にするものとします。

③税金的メリット

マンション経営の誘い文句として「節税」が挙げられます。私は税理士ではありませんので税法に詳しくはありませんが、所得税の税額控除が受けられるそうです。

こちらは変わる可能性もあるので注意が必要ですが、1年間の所得税か、住宅の借入元本の1%かどちらか低い額の所得税を減額されるそうです。

日本は累進課税制度を採用していますので一概には言えませんが、平均的なサラリーマン、年収500万円くらいの人であれば10万円~20万円程の所得税なので、全額返ってくる可能性の方が高くなります。

所得は利益の純額に課税されるはずですのでマンション収入の影響はほぼ無いものと思われます。

④返済を済ませた後、売却する

20年間の返済を終えたら本当の意味で経営者の所有物となります。築20年経っていますので値下がりする可能性の方が高いでしょうが、都内のマンションですので著しい価値の下落は無いように思います。

ここで売却してしまえば、(貸出賃料✖240ヶ月➖1,680万円)➕(売却価格➖税金)を20年間で稼いだことになります。途中で賃料収入に税金を課せられる可能性もあるでしょうが、税金は純益にしか課せられませんのでプラスになることは明らかでしょう。

⑤補足

20年経たずに価値が上昇して売却する可能性もあるでしょう。そこで利益を得るのもひとつの選択肢です。

また、20年経った後、自分の住まいにする、もしくは別宅として利用する選択肢も存在します。

マンション経営のメリット

このような流れで理想的に事が進めば、マンション経営は個人レベルでできる最高の投資のひとつと言えます。

銀行で借入こそしますが、借り手さえ見つけることができれば、実質収入は減りませんし、むしろ増えます。しかも、20年後には自分の財産とするも良し、自宅にするも良しという嬉しい悩みがおまけで付いてきます。

若い内にマンションを購入して貸し出しますので女性へのアピールになるかもしれません。モテるかも?です(笑)

それでも私は経営しない

これだけ良いこと尽くめに思えるマンション経営ですが、私はやる気が起きません。その理由をいくつか挙げます。

マンションを貸し出す際のリスク

まず、このモデルの最も重要なファクターであるマンションを他人に貸し出すという行為ですが、大きく分けて2つのリスクがあると考えます。

①20年間マンションを貸し続けられるか?

都内のマンションですので借り手が見つからないという事はなかなか無いのかもしれませんが、20年という長期スパンですので途中で誰も住んでいない状況が生まれるはずです。1人の人間が20年同じ部屋に住むとは思えませんからね。

その空白期間を見越した賃料設定を行うのでしょうが、その空白期間の見積り自体が間違えている可能性もあります。

上の例の1ヶ月の賃料だけでも9万円とかなり大きいですから、例えば誰も住んでない期間が1割あっただけでも200万円が入ってこないということですので、寝込んでしまいそうです(笑)

また、そのマンションは人に貸しているのですから、自分が本当に住んでいるところの賃料を支払っているはずです。空白の期間はダブルパンチで支払いがかさみ、手取りが激減するでしょう。

②マンションの賃料の値崩れ

20年間で建物はどんどん老朽化していきます。それに伴い魅力も無くなっていく可能性があります。外的要因で需要が高まり賃料が上昇する可能性もあるのでしょうが、20年間価格を維持する方が難しいような気がします。

事実、私の周りのマンションを借りている知人は更新する際に値下げしてもらっている人の方が多いです。

期間が長いのでたとえ少額でも大きな影響を与える可能性があります。

勧誘の電話に嫌気が差した

実はこのマンション経営の話は数年前に直接電話を受けて知りました。その際の電話の対応に正直不快感を持ったので、それも手を出したくない理由のひとつです。

もちろん、こういった事業を展開している会社さんは複数あると思いますので、全部が全部そういった対応では無いということは予め断っておきますが、私が受けたのは最悪でした。

こちらが仕事をしている時間帯に平気で電話を鳴らしてきますし、お断りしているのにしつこく対談の約束を取ろうとするし、まあストレスの溜まる電話です。

挙げ句の果てには「税理士さんや公認会計士さんもやられているのになぜやらないのですか?」と私の考えを無視したことを言ってくる始末です。

もう2度と電話を取る気が起きませんでした。

誇大広告にしか見えない

タイトルにも書いた「元手数100万円で資産数億円」という表現がそれに当たります。これは、現金数100万円が現金数億円に化けたというように見る人もいるかもしれません。私も会計学を学んだ経験が無ければそう捉えたかもしれません。

この広告がウソと言っているわけではありません。例を挙げてみましょう。

今、私は1,000万円の外車を頭金100万円支払って5年ローンで購入しました。すると私は1,000万円の資産を手に入れたことになります。頭金100万円を支払い、900万円の借金をして、1,000万円の資産を手に入れたのです。こう書くと、資産1,000万円持っているけど900万円の借金を背負っていることがわかります。

マンション経営に置き換えると、頭金100万円を支払って、1,200万円のマンションを20年ローンで購入します。すると、元手100万円で1,200万円の資産を手に入れたことになります。ま、1,100万円は借金なんですけどね。

もうお分かりいただけたと思いますが、資産の額は自分が出したお金と借金の総額なんですね。言葉のマジック恐るべし。ということで、マンション経営の広告に良いイメージを抱けないのです。

最後に

最終的にはマンション経営の批判になってしまいましたが、マンション経営は今昇り調子のようです。

たしかにうまく行けば、他の資産運用をするよりも賢いやり方なのかもしれません。私も20年間のローンの支払いをしている最中の戦略を理解して納得したら、もしかしたらやる可能性はあります。

ただし、今自分が持っている現金を魔法のように何倍にもする確率は極めて低いものであると個人的には確信を持っています。