「この台、スペックが甘いらしいよ」
パチンコを打つ人なら、一度は耳にしたことがある言葉ではないでしょうか。
この「甘い」という言葉を聞いて、「勝てる!」「儲かる!」なんて、つい期待してしまいますよね。
でも、ちょっと待ってください。
実はこの「甘い」という表現には、**パチンコの仕組みをあまり知らない人を誘い込む、とんでもない「罠」**が隠されているんです。
今回は、10年以上パチンコを打ち続けているおじさんが、「スペックが甘い」という言葉の本当の意味を解説していきます。
「甘い」は大きく分けて2つの意味がある
パチンコで「スペックが甘い」と言われる場合、主に以下の2つの意味があります。
- 当たりやすさ(抽選確率)
- ボーダー(千円あたりの回転数)
それぞれ詳しく見ていきましょう。
1. 当たりやすさ
これは言葉の通り、大当たりを引く確率のことです。
パチンコには「甘デジ」と呼ばれる、大当たり確率が1/100前後の台があります。1/319などの「ミドルスペック」に比べて、はるかに当たりやすいので「甘い」と言われるわけです。
「それなら、当たりやすい台を打った方が得じゃないの?」
そう思いますよね。でも、そう単純な話ではないんです。
一般的に、当たりやすい台は大当たり1回で出てくる玉の数が少ない傾向にあります。つまり、当たりやすいけど、大きくは勝てないことが多いんです。
2. ボーダー
次に「ボーダー」です。これは、1,000円で何回回れば±0になるかという指標のことです。
ボーダーが低ければ低いほど、少ない回転数でトントンになるので「甘い」と言われます。
例えば、大当たり1回で5,000発も出て、大当たり確率が1/26という超高スペックな台があったとしましょう。この台のボーダーはわずか1.13回。
1,000円でたった2回しか回らなくても、確率通りに当たれば1万円の利益が出る計算になります。
つまり、ボーダーが低い台は、少し回るだけでもとんでもない利益が出る可能性があるため、甘いと言われているのです。
「甘い台」を打っても勝てない理由
「じゃあ、ボーダーが低い台や当たりやすい台を打てば、絶対勝てるんじゃないの?」
残念ながら、そうはなりません。
なぜなら、パチンコ店は**「釘調整」**というもので、私たちからどれだけお金を回収するかをコントロールしているからです。
どんなにスペックが「甘い」台でも、釘が悪くて回らなければ、投資がどんどんかさみ、結局は負けてしまいます。
「スペックが甘い」という言葉は、あくまで**「もし理論通りに台が回れば」**という前提での話なんです。
本当に「甘い台」を見極めるための3つのポイント
では、本当に勝てる可能性が高い「甘い台」は存在しないのでしょうか?
そんなことはありません。見極めるためのポイントは、以下の3つです。
- 消化時間が短い:大当たりから次の遊技に戻るまでの時間が短い台は、同じ時間でより多く回せるため有利です。
- ボーダーが低い:1回転あたりの価値が高いので、少し回るだけでも利益が出やすいです。
- 当たりやすい:大当たりの確率が荒れにくいため、安定した出玉に繋がりやすいです。
これらの要素は、**「ボーダー以上に回る台」**を打った場合に初めて意味を持ちます。
ボーダー以下の台でこれらの要素を追い求めても、ただ負けが大きくなるだけです。
「甘い台」という言葉に惑わされず、自分の頭で**「この台は本当に回るか?」**を考えることが、パチンコで身ぐるみ剥がされないための、一番の防御策なのかもしれません。


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