【ネタばれ注意】ベルセルク39巻を読んで今後を予想

マンガ

ヤングアニマルでお馴染みの未完の大作「ベルセルク」ですが、39巻を読んでみて今後の展開を予想します。

これまでのあらすじも踏まえのものですので、ネタばれ注意!!です。

これまでのあらすじ

まず、これまでのあらすじをおさらいしましょう。

「ベルセルク」とは狂戦士という意味で、正に狂ったが如く、主人公のガッツが身の丈もあるような大剣を振り回して、使徒と戦うところから物語は始まります。

その理由は使徒の主である5人のゴッドバンド、中でもグリフィスが転生したフェムトを探すことでした。

黒い剣士(1~3巻)

気持ちの悪い使徒という化け物を主人公のガッツがやつけるというものです。

ここで5人のゴッドハンドという、いかにも超越者であろう者と対峙するのですが、軽くあしらわれて終わります。

黄金時代(3~14巻)

黄金時代で、なぜガッツが5人のゴッドハンドを追う旅をしているのかということが明らかになります。

話はガッツが幼き頃、傭兵として戦場に出ていたところから始まります。ガッツは幼少期に傭兵団に拾われ、傭兵として生活をしていました。そこで、育ての親を愛情も伴った憎しみによって不本意ながら手に掛け、殺してしまいます。そのことがきっかけで、自分の命を顧みず、どこか自分の人生を捨ててしまったような少年へと成長します。

ある日、鷹の団(傭兵団)率いるグリフィスに目をかけられ、入団を迫られます。実力で勝るグリフィスがガッツを打ち破り、ガッツは鷹の団の一員となるのでした。嫌々ながら入団し、仲間という存在に戸惑いながら、その実力から皆に認められる隊長にまで上り詰めます。

ガッツの活躍もあり、鷹の団の快進撃は続き、遂には傭兵団でありながら、隊長格は貴族の地位を与えられるまでの評価を国王から得ます。グリフィスの幼き頃からの夢は一国を手に入れることであり、その夢が叶うであろうことは明白でした。

しかし、グリフィスと王女が真の友について語らい合っているところを偶然ガッツが目にし、自分がグリフィスにとって真の友、対等の者ではないことを知り、退団を決意します。そして、グリフィスを決闘の上、倒して去って行くのでした。

言葉とは裏腹にグリフィスにとってガッツはもはや国を手に入れるための道具ではなく、かけがえのない存在になっていたのです。ガッツが去ってしまったことで乱心したグリフィスは王女の寝室に潜り込み、淫行を犯し、地下深くへ幽閉され、一国を手に入れる夢は潰えました。

それから数年後、偶然ガッツが鷹の団の残党と出会い、これまでの経緯を知り、グリフィスを助けに行くことを決意します。そこで、かつてからの戦友であり、鷹の団の残党を率いるキャスカと結ばれます。

そして、皆で協力し、グリフィスを助け出しましたが、長い獄中生活で舌を切られ、健を切られ、2度とまともに喋ることも剣を握ることもできない体になってしまっていました。

グリフィスは自分に失望し、かつて抱いた夢を諦め、自害しようとしますが、死ぬことさえできず、ガッツに触れられた瞬間、遂にその時が来ます。対等な者、真の友であるガッツに哀れみの目で見られ、助けられ、それに抗うこともできないことに絶望し、かつての夢を諦め切れず渇望した瞬間にです。

グリフィスの持っていた真紅のベヘリット(顔のパーツがバラバラについている卵形のもの)が人間の顔をし、血の涙を流し、4人のゴッドハンドを呼び寄せたのです。4人のゴッドハンドが言います。「生贄を捧げよ、さすれば転生されん」と。

そして、グリフィスは「捧げる」と答えます。グリフィスは新たな体を手に入れ、ゴッドハンドのフェムトとして転生しました。鷹の団の仲間は使徒の餌にされ、キャスカはフェムトに犯され、ガッツは激昂します。ですが、ガッツをしても人間では歯が立ちません。間一髪、謎のドクロの騎士に助けられ、ガッツとキャスカだけ生き延びます。この時、キャスカは衝撃的な出来事で自我が崩壊してしまいます。

ガッツはキャスカをその場にいなかった鷹の団のリッケルトに託し、ひとりフェムトを追う旅へと出るのでした。

断罪篇(14~21巻)

旅へ出たガッツは道中で使徒を倒し、成り行きで仲間も得ます。

ある時、キャスカの身に危険が迫っていることを感じ取り、キャスカを助けに行きます。そして、キャスカを連れて旅をすることを決意したガッツは、キャスカの記憶を取り戻すためエルフヘルムを目指します。

千年帝国の鷹(22~35巻)

ゴッドハンドのフェムトとして転生したグリフィスは使徒を従え自分の国を樹立します。皮肉なことにグリフィスを真の救世主だと称え従う人間も増え、使徒と人間が共存する妙な王国へと発展していきます。

幻造世界(35~)

グリフィスが自分の国を手に入れた一方で、ガッツ達一行は念願叶ってエルフヘルムへとたどり着きます。

そこで、花吹雪く王と出会い、キャスカの心を取り戻すためキャスカの深層心理へと旅に出るところまでが最新刊までの出来事です。

大筋の把握

今後の予想ですが、まずは物語の大筋について整理します。

◎主要人物の把握

この物語は本のタイトルにもなっていることから「ベルセルク=狂戦士」の物語、すなわちガッツの物語です。そして、その対極にいるのがグリフィスです。

◎ベヘリットについて

ベヘリットはこの物語において重要な役割を担っています。

ベヘリットとは、その持ち主が渇望した際、ゴッドハンドを呼び出し、持ち主の大切な者を生贄として捧げることによって持ち主を人外の者、使徒へと変貌させる契機となるものです。

そして、ベヘリットの持ち主は因果律によって定められており、手放してしまっても必ず持ち主に戻ってきます。

グリフィスの持っていたベヘリットは特殊なベヘリットで、216年に1度しか現れず、使徒ではなく、使徒を従えるゴッドハンドへ転生させるものです。

作中で使徒を倒した際にガッツもベヘリットを手に入れています。ガッツが因果律によって定められた持ち主かどうかは不明ですが、何等かの役割があることが予測できます。

◎グリフィスとガッツの対比

グリフィスがゴットハンドへ転生した経緯をまとめることが、今後の展開を予想する上で重要になると考えます。

なぜなら、現時点で定められているかどうかは不明ですが、ガッツがベヘリットを手にしている事実があり、また、ガッツとキャスカを生贄の儀式から助け出したドクロの騎士が、ガッツを自分と同じような境遇の者だと位置付けているからです。ドクロの騎士はその風貌から明らかに人外の者で、おそらくベヘリットによって転生し、ゴッドハンドを敵と見なしている者です。

そこで、グリフィスの転生へのきっかけを改めて確認することで、ガッツが転生するとしたら何が引き金となり得るのかを考えます。

グリフィスが渇望したのは国を手に入れることでした。作中でその先のものの存在も匂わせていますが、基本的には自分の国を手に入れることです。転生前のグリフィスはその夢を実現するために手段を問わず、常に最善の方法で国を手に入れる判断をする人物でした。そのグリフィスに我を忘れさせ、一時ではあれ夢を忘れさせる存在がガッツでした。それほどグリフィスはガッツが大切であったと言えます。しかし、最終的にはかつての夢を渇望し、ガッツを生贄として差し出すのです。

これをガッツに置き換えるとどうなるのか?ガッツが渇望するものとは何であるのか?そして、ガッツにとって渇望するものほど大切ではないが、それと同等の価値があるものとは何なのか?ということを考えてみましょう。

物語の中盤ではガッツの渇望するものを「グリフィスへの復讐」、それと同等に価値があるものとして「キャスカ」と捉えていたこともありますが、おそらくそれは間違いでしょう。

39巻まで読んで、ガッツが渇望するものは間違いなく「キャスカ」であると考えます。もっと言うと、「キャスカが元の心を取り戻し、平穏な日々を送ること」でしょう。

そこで、その渇望を忘れさせるものとは考え難いですが、生贄に捧げられるほど大切なものとして個人的に最有力なのは「断罪篇以降の旅の仲間」です。

つまり、

グリフィスへにとっての「国を手に入れること」はガッツにとっての「キャスカが元の心を取り戻し平穏に暮らすこと」、グリフィスにとっての「ガッツ」はガッツにとっての「旅の仲間」と位置付けます。

結論

正直、個人的には好きなキャラクターがひどい目に合ったり、不運な状況に陥ることは嫌なのですが、私の予想ではキャスカの平穏が叶わずに終わるのではないかと思います。

それは上でも書いた通り、ガッツにとって最愛の人であるのと同時にガッツが唯一渇望し得る存在であると考えるからです。

今、物語はキャスカの心が戻ってくるかどうかの瀬戸際にあります。もしかしたら、1度はキャスカが正気を取り戻すのかもしれません。個人的にはそれを望みます。しかし、その後おそらくグリフィスによって打ち砕かれるのでしょう。

ゴッドハンドの力がどれ程のものなのか、因果律に干渉できるのかはわかりませんが、時系列的にグリフィス転生後に起こるガッツのベヘリット入手はグリフィスによって仕組まれたものかもしれません。そして、使徒へと転生したガッツをもう1度自分の配下に置くつもりかもしれません。

グリフィスはフェムトに転生して感情が無くなったのではないことは、軍を作って国を作ったことや他のゴッドハンドの振る舞いを見てうかがい知れます。

私が予想する結末は、ガッツがキャスカに起因する渇望から転生を迫られ、それに抗い、グリフィスを肉体的にではなく、精神的に打ち破り、ちっぽけな人間でも因果律に逆らい得ることを証明して完結するものだと思います。

39巻までの物語を読んだ末の予想でした。

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